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論文3『企業経営の新しい視点-4次元経営-』

本多ビジネスコンサルティング
中小企業診断士 本多 喜悦

※ 掲載論文の無断転載、無断使用はお断りしております


1.はじめに

 これまで、企業経営の3要素として以下のものがよく使われてきた。
※ 人材
※ 資金
※ 設備

 しかし、企業を取り巻く経営環境を見ると、その視点では変化に対応できなくなるのではないかと思っているのである。新しい視点のアプローチが必要であるというのが本論の言いたいことである。それは次の4つの軸を念頭に置くべきと考えることである。つまり、4次元経営である。
※ 人材・資金軸
※ 事業領域軸
※ 組織軸
※ 時間軸

2.各軸の概要

 各々の軸を若干説明すると次のようになる。
・人材・資金軸は人材と資金の活用の度合いを示すものである。これは後述する「企業発生の種」となり、「事業領域要素」と「生産の源要素」へと派生して企業体が出来上がるものであるが、いずれにしてもこれが事業の核となる軸である。

・事業領域軸は自社がどの分野で事業を行うか明確にしてあることである。これが明確でないと競争の波にもみ消されてしまうからである。戦略、マーケティングなどがこれに含まれる。これは即ち、企業体がつくる無形のソフト分野ということである。

・組織軸はある時点からある時点に時間が変化したときに、組織の評価がどう変わったかを示すものである。これは組織内の風土、社風、雰囲気などの感覚的なものも含まれる。即ち、個人からみて個性の発揮しやすい、人格向上が図られる、能力に応じた評価と報酬など人事労務分野も含まれる。

・時間軸は、企業はその存続のために利益の確保は必要不可欠であり収益性を考えない思考と行動はありえないから、企業体と時間との関係を重視しなければならないということで加えた軸である。故に、自社の経営資源や歴史を検証しながら、企業行動を時間との関係で決めていかなければならないということである。

 そして、各軸の評価はその企業のその時点での価値観に依存する。たとえば、顧客数は多い方が良いだろうが、アフターサービスやメンテナンスを要する事業分野では商品を売りっぱなしでそれをないがしろにすれば、かえって顧客の不評がおこり企業体としてはマイナスになるであろう。又、評価には定量的要素のみならず感性など定性的要素も含めなければならない。
 この様な考え方で上の4つの軸における測定のパラメータを列挙すると次のようなものがある。

【人材・資金軸】企業成績としての収益、従業員数、1人当たりの生産高、財務体質など。

【事業領域軸】戦略、経営計画、マーケットシェア、顧客数、業界の伸びなど。

【組織軸】組織の階層度合い、情報伝達の時間や精度、個人の考えや意見の出しやすさなど。

【時間軸】新製品販売のタイミング、工場や店舗建設のタイミングなど。

3.企業体の新しい姿

 最初に「企業体の種」を考える。それは、「人材・資金軸」である。これがないと企業体は生まれない。これから、「事業領域軸」と付加価値を生み出す「生産の源要素」が派生してくる。これを整理すると、「人材」、「資金」、「事業領域」、「生産の源」である。そしてこれらの要素が「結合棒」という概念で結ばれている。「結合棒」というのは「情報の伝わる経路と流通度合い」を示すものである。つまり、「結合棒」が外れるということは、その要素が死んでしまうことになるのである。言い換えれば、企業体は死んでしまうということである。

4.終わりに

 今後の新しい企業像に対する一提案を行ったが、ご意見ご質問は下記メールまでお願いいたします。
以上

 

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